サンプル版読了:堀秀彦『格言の花束』

はしがきによると、この本は堀氏が出した本の中でもずばぬけて一番よく売れたものらしいです。

 

この本の中の言葉と言葉とは、同じ主題について、ときにはずい分、矛盾している。矛盾しているということは、一つのことを、いろんな面から考察したということだ。ものをいろんな面から考察すれば、矛盾するのはあたりまえのことだ。矛盾したところで、やむを得ない。ひとつのことを一つの面からだけ考えて、矛盾の苦しみをさけて通るより、いろんな面から考えてみるほうが、人間として、ほんとうだと思う。 

 

私は何よりもこの文章を読んで、胸がすっきりしたというか、心が少し軽くなった思いがした。

 

SNSで発信するにしてもなんにしても、色んな視点から考えるとどうしても、自分の意見だけを断言するのはむずかしく思う。そうすると、発信内容は芯とか軸がないように見えがちになる。

 

そういうことを悩んでいた時期もあるので、あぁ、それでいいんだなって思った。

 

SNSでの発信については、わかりやすい方がいいから、それはそれとして、だけど。

 

元々名言集・格言集はそんなに好きじゃないけど、この人の編纂した格言集なら読む価値があるだろう、読みたいなと思った。

 

堀氏による各章のとびらの言葉も力強くてとてもよいです。

 

サンプルはそんなに多くないけど、ピリッとした言葉が解説もなく並べられていて、すっきりしていていさぎいい印象。さらっと読めるし、読みたい本に追加。